中近東の魅惑的な美しい響き
FAXレーベルではNamlookとのコラボ「Silence」でおなじみのDr. Atmo(本名はAmir Abadi)とRamin Naghachianによるコラボ「Sad World」の1st。
今のところ3作目まで。
タイトルの割には暗くもなく、悲しくもなく、曲ごとにいろいろな展開が楽しめる好盤にして名盤。
1作目と2作目をカップリングしたInstinct Records盤(FAX-5558-2 1995)もある。
非常に中近東っぽい雰囲気のある#1「Apadana」は本アルバムの導入部的な存在。
一気に「Sad World」の世界へ引き込まれていく。
メインは30分にわたる大作である#2の「Giyan」。
ゆったりとした美しいシーケンスとドローンにのせてラジオの音やノイズ、環境音が展開してゆく。
やはりエスニックな中近東っぽさを醸し出しつつ、非常にメロディアスなアンビエント。
虫の鳴く音が鳴り始めると展開が変わり、一転静かで瞑想的な展開へ。
再び美しいシーケンスが始まり、パーカッションも加わって終わる3部構成。
#3はレコードのスクラッチノイズを背景にエスニックな笛のメロディやシタール、タブラなどが奏でられる中、「Dad Naghi」という人による穏やかなスピーチが流れる、非常に雰囲気のある曲になっている。
とても興味深い印象的なトラック。
#4は弦楽器の音による中近東的なフレーズのループが印象的で美しく、くせになる。
聴きやすく馴染みやすい1曲。
エスニックなリズムも◎。
#5は#1のロングヴァージョンで同じ音使い・リズムで展開。
Posted at 2013-03-12