妖艶な中近東風のメロディの異世界
1曲目の「Samarra」は3部構成からなる40分にもわたる大作。
波の音、静かな海辺を思わせるゆったりとしたシンセの導入から演説が重なり、その直後、リズムとともに第1主題のフレーズが始まる。
シンプルだがとても妖しくて魅惑的なフレーズだ。
このフレーズを軸にオペラ風の独唱や合唱、波の音などがさりげなく出たり入ったりする。
間もなく第2主題のフレーズがリズムとともに始まりすこしにぎやかに。
妖艶な女性コーラスが始まると再び第1主題が登場。思わず息をのむ。
女性コーラスの妖しい響きとともにリズムパターンを変え、波の音、演説などが出入りしながらクライマックスへ。
波が打ち返す中、そのまま2曲目「Cordoba」へ。
瞑想的なシタールに民族的なリズムがすこしづつ展開。
シタールがシンセのフレーズに代わりテクノな感じになったかと思いきや、再びシタールに民族的な合唱が加わってかなりエスニックな展開になったりと、交互に対比を見せながら展開。
最後はやっぱり海辺へ。
妖艶な中近東風のメロディが独特の異世界を演出し、その音世界に魅了され引きずり込まれてしまう。
1曲の中にいくつか展開があるので、思わずじっくり聞き込んで楽しめる。
1作目とともにこの2作目もこのままいくといつか忘れ去られそうな感じだが、内容はすこぶるいいので、ぜひどこかのレーベルで再発して欲しい。
FAX盤の他に1作目と2作目をカップリングした米Instinct Records盤(FAX-5558-2 1995)がある。
Posted at 2013-08-07