退廃的で耽美的な鎮魂歌
スウェーデンのダーク・アンビエントの総本山、Cold Meat Industryレーベルを中心に活躍するピーター・アンダーソンの同レーベルでの2003年作品。
Roger Karmanikによるデザインの違う5種類のスリーヴ・デザインが存在する。
どのデザインもこの作品の世界観を良くあらわしていて、非常に退廃的。
教会の鐘が鳴り響く。
しばらくしてお得意の低い人間の声のような不穏な音でメロディが奏でられる。前奏曲的な1曲目。
2曲目は静かでゆったりとした耽美的な曲調がしばらく続くが、打楽器の音を皮切りに一転、先ほどのような不穏な曲調が再び流れ出す。
3曲目は何か金物のようなカラカラとした音が背景で鳴っている退廃的な環境音にのせて、やはり暗く、重くひきずるような低い男声合唱のアンサンブルが鳴り響く。
うち捨てられた行き場のない魂の彷徨う姿。
4曲目、静かで這いつくばるような音、先ほどの金属的な音、ドラの一撃で鎮魂歌のような暗いメロディが始まる。
再びドラを合図に、さらに深い悲しみを抱えた絶望的な世界が嫌が応にも重くのしかかってくる…。
5曲目に入り、低いドローンを基調とした荒涼とした音世界にゴーッといった音が通り過ぎていくような感じで始まり、それらの音にいろいろな効果音・ノイズが重なり、徐々に全体的な音量を増してゆく。
discogs
Cold Meat Industry
Raison D'etre
Posted at 2012-09-30