ダークで美しい重厚な音響作品
スウェーデンのPeter Anderssonによるダーク・アンビエント・プロジェクト「raison d'être」の2006年作品。
「Metamorphyses」と題された楽曲が6パターン。
今回のアルバムでは今までのようなグレゴリオ聖歌をサンプリングしたヨーロッパの絶望的なイメージは少なく、代わって金属的なノイズ音や不穏なドローンがメインでインダストリアルでエクスペリメンタルな要素が強い。
そういった意味では退廃的でノイジー、ディストピアを感じさせる最近のヨーロッパの新興レーベルの作品に聴かれるような雰囲気に近い部分もある。
各曲とも基本的にはミニマルで静かな導入から徐々に無機質なドローンや地響きのようなドローンがレイヤーされていき、金属的なノイズ音や怪しげなサウンドエフェクトを交えながら盛り上がっていく構成が5パターン+1。
「Cold Meat Industry」というレーベルの持つイメージにありがちな恐怖、暗黒、ホラーなどの通り一遍的な評価・印象に惑わされず、純粋に音響を楽しむことのできる作品だと思う。
discogs
Cold Meat Industry
Raison D'etre
Posted at 2013-02-06