ドビュッシーをサンプリング 、深い瞑想に沈んでいく
ノルウェーのGeir JenssenによるBiosphereの、2002年作、Touchよりリリース。
Deathprodとのカップリングで見せた「Nordheim Transformed(98年)」での再構築センスをこのアルバムでもいかんなく発揮しています。
今回はかのフランスの印象派の作曲家Claude Debussy(ドビュッシー)です。
ドビュッシーの古いレコードの断片をサンプリングし、ループさせ、淡々と永遠に続くようなミニマムドローンサウンドに仕上げています。
ドビュッシーの曲はVirginでのDavid Toopによるアンビエントを集めたコンパイル「Ocean Of Sound(96年)」において、アンビエントにも使える曲として驚きの解釈を与えられていましたが、聴けば納得で、アンビエントの新たな解釈の幅を広げることに一躍買った重要必聴盤です。
Biosphereも迷いなくこのドビュッシーを選択、サンプリングすることで新たなアンビエントの傑作を作り上げました。
タイトルの「Shenzhou」は中国の有人宇宙船の名前である他に、「魔法の船」を意味するそうで、確かにゆらゆらと静かに淡々と深い瞑想に沈んでいくような作品になっています。
英国の名門レーベルTouchらしい、エクペリメンタルな内容になっています。
Posted at 2022-03-15