宇宙のアンビエント・ミュージック決定版
たゆたう浮遊感、冷たい無重力空間をひたすらクールに緊張感のあるサウンドに仕上げたイーノ。
アナログB面の最初に当たる8曲目「Silver Morning」から一転。穏やかな南国イメージのラノワが前面に。
美しくも切ない名曲「Always Returning」を経て再びラストでイーノの静かな宇宙へ。
NASA設立25周年記念の月面着陸のドキュメンタリーフィルムのためにブライアン・イーノが製作したサントラ。
そのため「Music For Airports」などのアンビエント・シリーズよりも1曲1曲が小品で多様。
今となってはブライアン・イーノのアンビエント・ミュージックの提唱者としての歴史的意義は定まってはいますが、その音楽は一方では、あの世へ通じるというか、この世とあの世をつなぐようなところに存在するようなイメージがあり、僕の中ではそれがそのまま宇宙のイメージとも直結しています。
ピート・ナムルックのFAXにおける一連のアンビエント作品の中にも宇宙をイメージしたアンビエントはいくつかありますが、このアルバムはいいお手本になったのではないかと思えるほど通底するものを感じます。
またこのアルバムのラノワの南国的なギターサウンドもその後のKLFの「Chillout」に繋がってる?
83年発表。
Posted at 2012-08-23