極北の透明感のある洗練された美しいアンビエントテクノサウンド
ノルウェーのアンビエント・ミュージシャン、Geir Jenssen(ゲイル・イェンセン)のBiosphere名義での1st。
Geir JenssenはBrian Enoやイギリスの人気バンドDepeche Modeに影響を受けてシンセポップバンドなどを経てBleep名義の作品の後、1991年「Biosphere」名義でこの1stアルバム「Microgravity」を発表しました。
当初は売り上げが見込めないとの理由で大手レーベルからの取り扱いがされなかったものの、地元のレーベルであるOrigo Soundよりリリースされました。
この作品はその後高い評価を受け、名門R&SRecordsのサブレーベルでアンビエントを専門に扱うApolloからライセンスされ、1992年にリリース。Biosphereは一躍アンビエントテクノ界に躍り出ることとになりました。
極北の北極圏の北約400kmに位置するトロムソで暮らすというGeir Jenssenの紡ぎ出すクールな透明感のある洗練された美しいサウンド、深い瞑想的なシンセのメロディにデトロイトテクノの影響も感じさせるビートをのせ、90年代初頭のアンビエントテクノを代表する名盤を作り上げました。
Geir JenssenのBiosphereはこの後、さらにアンビエント色の濃い作品を次々に発表し、その地位を確固たるものにしていきます。
その先駆けとなった記念すべき金字塔がこの作品と言えるでしょう。
このアルバムではこの後の良質なアンビエント作品達で聴かれる様々なサウンドの原型ともいうべき音のエッセンスが随所に散りばめられていてとても興味深い作品になっています。
Posted at 2022-03-14