異形の世界を堪能する
Andrew Lilesの3rd。
イギリス人だからなのか、もともとそういう気質なのか、かなり心霊っぽさを感じるアルバム。(ホラーっぽいということではないのであしからず)
多重人格的な展開で、ちょっと他にはない怪しさが癖になる。
ジャケットのアートワークがその雰囲気をよく表している。
ドローンがメインのinfractionからのリリースの中ではかなり毛色の違う作品。
冒頭から不穏な発信音が鳴り続け、エクスペリメンタルな展開に息をのむ。
ノイジーな音が生き物のように蠢いていると唐突にラヴェルのハバネラがループされる#2。
妖しくアブストラクトな音響の#3、幽霊の踊りのような#4、子供の声が歪められ#5、虚ろで寂しげな展開の#6、妖しい歌声から支離滅裂な展開の#8、虚ろで寂しげな#9、歪んだ異国の曲にのせた男の語りが怖い#10、よくわからない#11、#12ではドアが乱暴に閉められ、ついにこの奇妙な世界が…。
とにかくいろんな事やってます。しかもどれもがこの世のものとは思えない怪しい雰囲気に満たされていて何とも言えない魅力がある。
一枚の中に異形の世界をぎゅっと閉じこめたような作品。
discogs
infraction
andrewliles.com
Posted at 2013-01-20