テクノによる一大叙情詩
ゆったりとした最初の導入から異国の別世界へ一気に連れて行かれる。
激しい印象のあるDJプレイからは想像つかない美しい音使いで、ジャーマントランスが一番輝いていた頃の作品。
一枚の作品の中に様々な世界がぎゅっと詰め込まれたテクノによる一大叙情詩にして傑作。
トライバルなリズムに心地よく乗せられて気持ちよすぎる#1から静かな緩衝パート#2を経て優しい美しいフレーズに癒される#3、うっとりしているとここはどこだ?と迷い込む#4、楽しげな宴から幻想的な雰囲気になっていく#5、一瞬夢の世界をかいま見る#6、タイトル通り… 不思議な世界をフワフワ漂う心地よい#8を経て#4と同じ異国風フレーズが再び流れて旅が終わる。
一般的に出回っているワーナー盤(4人のダンサーに囲まれてポーズをとっているジャケット)にはアメリカでも大ヒットしたという「L'Esperanza」のシングルヴァージョンなどがボーナストラックで入っている。
個人的にはオリジナルの「手のひらジャケット」を。
このアルバムは一枚9曲で完結する作品なので、「coda」(最終章)の後にボーナス曲が続くのはどうかと。
インナーのThanks表示で、イーノやホルガーシューカイ、ハロルド・バッドやモーツァルト!など錚々たるメンバーの中に「R Sakamoto」の文字が。
Posted at 2012-11-22