脳内を駆けめぐるFloating Sound
Enitokwaは、大阪出身であるTakashi Hasegawaによるソロプロジェクトで本アルバムは1996年から制作していた音源をまとめた作品。
タイトル通りまさににふわふわに浮かんだような優しい音響とミニマルなリズムが脳内を駆けめぐり、心地よく刺激してくれる。
#1はノンビートでサイケデリックな感じ。Experimental Audio Researchを思い起こす。
そのまま持続しながら#2へなだれこみ、ダビーな重低音と控えめなビートが入ってきた後、やがて持続音のみとなって終わる。
#3は日本の祭りのようなリズムでとても楽しげだけど不思議と安らぐ感じでずっと聴いていたくなるような曲。一番好きかも。
#4は硬質でミニマルなリズムに優しいシンセが被さる構成。遠くで鳴っているようなシンセの音が、Infractionレーベルあたりで聴けるようなドローンを思い起こさせる。二番目に好きかも。
#5はきらびやかなシンセ音による曲で後のクラウトロックのリヴァイバルみたいだ。
#6せせこましいビートに合わせて#5と同じキラキラしたシンセ音が被さる。アルバム中一番にぎやかでやや騒がしい。
#7宇宙と交信しているような感じ。波の音が効果的で摩訶不思議な世界が拡がる。
帯ライナーより
星のひかりは、何万光年も先からやってきます。エニトクワは、天空と天竺的なる想像をつなぎ「天の川にある」物語を紐解き、私達を桃源郷へといざなってくれます。ハイクオリティーなエニトクワ・サウンドは、世界の良質なテクノ・ファンにも受け入れられるだろう。ヘッドフォンでも聴くべし!
山辺圭司
Posted at 2012-11-24