周波数系電子音響のみのビートで脳に刺激を
池田亮司とカールステン・ニコライ(noto、alva noto)のユニットcyclo.のアルバム。
2年間に渡りサウンドファイルをお互いにやり取りしながら製作したものだそう。
鋭いパルス音とかホワイトノイズ音とかの周波数系電子音響のみで成り立っているアルバム。
「ピー」とか「ザー」とかばっかで作られています。
しかもそれでビートを表現し、右や左にノイズを振ったり、位相を変化させたりして、普通の音楽のように聴かせます。
余談ですが、この手の音楽って意外とちゃんとしたリスニング環境で聴いた方がいいような気がします。
チープな環境(特にスピーカー)だと低音(低い周波数)がカットされたりするので、本当にチープな音楽になってしまいそう…。重低音が格好良くて気持ちよかったりするんですよ。
池田亮司とカールステン・ニコライはともにそれぞれ個人名義では純度の高い作品を制作しているけど、このユニットでは比較的音楽的というか、遊んでるというか…。
意外に聴きやすいのではないでしょうか。
それでも、無機質な音には違いないので、なれない人には受けつけがたい音楽かも。
ヘッドホンとかで聴くと脳がシェイクされるようでまた楽しめます。
この2人は相性がいいのか仲がいいのか、今後もいろいろと一緒に活動されていくようなので非常に楽しみ。
とても独創的なアートワークがなされたCDを多発している「Raster-Noton」(カールステン・ニコライ主宰)というレーベルから発売されたCDだけど、このCDジャケットもとても変わったジャケットというかケースに入っています。
左上にある黒いレバーでCDを押し出すんだけど、最初は結構緊張しました。
タイトルは非常に見えにくくそっけない。外見からでは誰の何のアルバムなんだかよく分からず、曲目もC1〜C9とふってあるだけ。
非常に僕好みのシンプルでミニマムなデザイン。
強引に?中を開いてジャケットを引っ張り出すと、このアルバムの成り立ち?か何かを表す記号が載っていて、ツヤ有りのコーティングを利用してタイトルや曲名が印刷表示されているのが開けてみて初めて分かりました。
出回っている数が少ないのか、入手が困難になっているようです。
discogs
Raster-Noton
Carsten Nicolai
Ryoji Ikeda
Posted at 2012-08-24