オシャレな電気信号音ミュージック
Mika VainioとIlpo Väisänenからなるフィンランド出身の2人組ユニットの1st。
92年の結成当時はPanasonicと名乗っていて、当然のごとく某ニッポン企業からお叱りを受け、1998年から「a」の字を抜いたPAN SONICというユニット名に改名。ちなみに改名後にリリースした初めのアルバムのタイトルがその抜いた文字そのまんまの「A」…。
今回の「Vakio」および2ndの「Kulma」は「PAN SONIC」として後年改めて再発されている。
このアルバムは全編を通して聴力検査のような極めて記号的、電気信号的な音に支配されている。
それらが彼らによって意図的に並べられると不思議なことに、ビートが息づく音楽になり、いつしかミニマルテクノを聴いているかのような感覚になっていく。
ちょうどChris Watsonのフィールドレコーディングアルバムに聴かれる鳥の声や風の音が不思議と音楽に聞こえてくるように、ただのノイズ音やグリッジ音がオシャレなダンスミュージックに聞こえてくる。
これだけストイックに無機質な音を並べまくってもポップに聴かせてくれる微妙なさじ加減に感服。
シンプルで楽しげなリズムが飽きない#13がお気に入り。
Posted at 2013-01-18