密度の濃い短編映画のような音響作品
80年代に「Silent」レーベルを立ち上げ、自身は「Heavenly Music Corporation」「PGR」などとして作品を発表、デヴィッド・リンチ監督「ツイン・ピークス」などの音楽編集を手がけるなど、音響制作における手腕をいかんなく発揮してきたアメリカの重鎮キム・カスコーン。
近年、本名の名義になってからはいろいろなレーベルより作品を発表、本アルバムはスペイン・バルセロナのStorungより2009年リリースされた作品。
収録時間は28分弱と短く、ミニアルバムのような体裁だが、内容はヴァリエーション豊かで濃い。
雨音をバックにした語り、波の音を背景にしたドローン、何かが燃えるような音や人の会話、楽器演奏など、フィールドレコーディングを多用した構成により、まるで映画を見ているように目まぐるしく場面が変化する。
変化はあるが、無機的なドローン・電子音がメインなので、耳につくわけでもなく、アンビエント使いにも全く差し支えない。
いろいろなエッセンスをぎゅっと濃縮して詰め込みましたといった感じで密度濃いです。
Posted at 2012-11-20